組み立てに入る前に準備がある。まず、仕上げに先立ちサンドペーパーを掛ける。今回の場合はオイル仕上げを想定しているので、#150、#180、#220と三段階かけた。

次に、round overビットで角を丸くしなくてはならない。なぜなら、こどもいすだからである。1/4"のround overビットを用いて、leg材とstyle材での角を落とす。下の写真は、pivot postを1本だけ立てたところである。pivot postがなくてもできないことはないが、安定させるためにpostを立てている。

IMG_1037.jpg
round overビット


また、次の写真はダストポートにダストコレクションを繋いだところである。せっかくポートがあるのだから、こちらを使った。

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ダストポート


leg材、style材が全て終わった。また、フローティングテノン(雇いほぞ)も載せておいた。

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leg材、style材完成


さて、いよいよ組立である。まず、仮組立(dry assemble)を行っておく。これは、省略してはならない。必ず行う。仮組をしたら、いよいよ本番。これは、基本的にはモックアップなので、 titebondを用いた。本来ならここは膠(hideglue)である。まず、二本のleg材と一本のstyle材を、それぞれ独立に組み立てる。24 時間放置する。

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titebondで接着


24時間経ったところで、全体を組み立てる。そして、また24時間。

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全体組み立て


はみ出したtitebondをスクレーパーで取り除く。座面に直径10mmのドリルで座繰りを板厚の半分まで空け(ドリルプレス)、座面と躯体本体を正確な位置にクランプで止めて、ドリルドライバーで下穴ぎりをおよそ35mmの深さまであける。そのあと、35mmの木ねじで座面と躯体を締結する。

mokunejiShitaana.jpg
座面接合の概念図


このあと、直径10mmの丸棒(カリンだったでしょうか、名前は忘れました)をグリグリっと押し込み、

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カリン?


先端を胴付き鋸でカットする。

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胴付き鋸でカット


紙を1枚だけ敷いて、Zソーで再びカット。紙を敷くのは座面を痛めないため。

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Zソーでカット


表面を軽くヤスリをかけて、玄翁で少しだけ叩けば完成だ。

IMG_1054.jpg
完成


ここまで、一連のフローティングテノンを追ってきたが、今は、全部のほぞ加工をフローティングテノンですることはめったにない。当初は、とても合理的に思えたのだが、どうも一工程多いのだ。接着工程も倍かかる。

というわけで、どうしてもフローティングテノンでなければできないところ以外は、通常の方法で行っている。

IMG_1056.jpg



フローティングテノンおしまい


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