ルータテーブルは、材料の方を動かしてルーティング加工するために用いられる。従って、ルータを手持ちで加工する場合とは異なった性能が求められる。その性能には、非常に重要なことがらから、些末なことがらまで多々あるので、これらをひとつひとつ検討してみよう。

重要条件 もっとも大事な性能は、テーブルトップ(天板)の平面の性能である。平面の性能には平面性と平滑性の2つがある。これらは当たり前のことのように思えるが、自作する場合はそう簡単ではない。製作後およびルータ取付け後に完全な平面が求められる。完全な平面が理想であるが、コンマ数ミリ上に凸になっていることは許されるが、下に凹になることは許されない。したがって、テーブルトップの材料とその製作法が重要になる。 筆者は何種類かの材料で製作してみたが、金属単板にルータを直接取り付ける方式が、もっとも信頼性が高い方法であると思うに至った。以下に、その理由を述べてみたい。

合板張り合せ
米国の書物や雑誌には、合板(多少なら平面でなくてもよい)の凹側面どうしをcontact cement(国内ではどんな商品として販売されているかわからない)で圧着して、厚みのある(つまり曲げ剛性の高い)トップをつくる方法が紹介されている。さらに湿度変化の影響を受けないように両面に数mmのプラスティック板も圧着し、小口面にも堅木を接着する必要がある。筆者もこの方法で作ったことがあるが、完全な平面にはならなかった(おそらくなる場合もあるのだろうが)。また、ルータを落とし込む穴の加工も相手が合板なので楽ではない。
MDF
合板圧着の代わりに厚みのあるMDFを使う方法である。両面と小口の仕上げは同じようにする。MDFは国内では30mm厚が最大なのでこれを用いる。また、購入時に限りなく平面なものを選ぶことが大事である。MDFは工場で製作時に平積みにされているので変形して、はじめから平面でないものも多い。この方法は合板に比べ製作手間が少なくてすむ。また、ルータを落とし込む穴も掘りやすい(木粉は大量に発生するが)。
そのほか
合板,MDF以外にはメラミン樹脂板(中はパーティクルボード)で厚いものを使っている工人もいるようだが、筆者は試したことがない。また、ホームセンターでそれにふさわしいメラミン樹脂をほとんど見たことがない(薄いものばかりだ)。

(続く)


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Last-modified: 2009-04-28 (火) 13:58:31 (5470d)